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Interview

新作の話の前に、いくつかお聞きしたいことがあります。まず、1992年にhondaさんが 渡米し活動の拠点をアメリカに置いてから、日本に長期滞在していたことは、これまでにあったのでしょうか?
ないんだよ。どちらかというと、戻って"こない"ようにしているくらいだね(笑)。
特に"帰らない!"と決めているわけではないけど、長く滞在すると、楽してしまうからな
1999年には自身のレーベル:dj honda RECORDINGSを設立しますが、当時と現在のビジネス・プランに差違はありますか?
変わってないね。レーベルを運営 / 経営していくことは、誰かが介入することによって自由が利かなくなる。だからこそ、レーベルをスタートした時は、自分でコントロールして、かつヤバイ曲が生まれる環境にするってことが重要だったからな。それは今も変わりはないよ
これまでに自身の「h」シリーズが3作、他にもdj honda RECORDINGSから数多くの作品が リリースされてきましたが、リリースに関してオーナーであるhondaさんが持ち続けている信念というのは?
やりたい事を、やりたい時に、やりたい様にやる。
だから……『発売する』って公言してもリリースしなかったものもいっぱいあるしな(笑)。気に入るまで出さない。まあ、俺らデッドラインもあって無い様なものだから……新作のリリースに8年も費やせられたんだよ
2005年にドキュメンタリー『REASON』が公開されましたが、当時のインタビューで 「翌年には新作(「dj honda IV」)のリリースが控えている」という話をしていた記憶があるのですが……。
そうそうそう……(笑)。『「dj honda IV」Coming Soon...』ってフライヤーを2002年から毎年刷ってたくらいだからな。
まあ、その時の気分であったり、まだ出来る事が見つかれば(作品を)アップデイトするし、違った挑戦も考えたり……歯止めが利かなくなってしまうからな
とはいえ、こうして無事に新作が発表されたわけで、「dj honda IV」に先駆けてインストゥルメンタル・アルバム「h-MENTAL」もリリースされました。このリリースにはどのような意図があったのでしょうか?
dj honda名義の作品を出していなかったし、イントロダクションじゃないけど、ストリート・アルバム的な意味合いも含め、先にリリースしたんだよ


では、新作についてですが、じつに8年ぶりとなるオリジナル・アルバムです。 制作当初の構想からテーマには何度かテコ入れはあったのでしょうか?
サウンドはだいぶ変わっていったけど、テーマ自体は変わってない。
とにかく、自分の気に入った音をとことん追求していく事がテーマだから。そういう意味では、「hIII」からの8年間で音は変わった。時間が経過すればするほど、自分がもっと気になる音も増えてくるわけでさ。
もちろん、サウスだとか、オートチューンのようなムーヴメントは目にしているけど、あれはあれだ。俺自身が興味が沸かないものには目は向かない。俺ら作り手側の人間は、出来た流行を再生、コピーじゃマズイだろ?
追求の段階で、ボツになってしまったトラックはどうするんですか?
気に入ってるものは今後リリースしていくよ。モノ(曲)によるな。アップデイトすることもあるけど、性格的に新しいものをすぐ作ってしまうんだな。気に入らないとアップデイトもせずに削除してしまうこともある。……そして後悔するんだよ(笑)
今回はモス・デフをはじめとする、すでに共演済みのおなじみの面々から、 本作で初共演となるアーティストも見受けられますが、人選はどのように?
回りの人間、仲間、事務所で会ったり、スタジオに遊びに来たり、ライブで会ったり……初対面でアポを取ってセッションっていうアーティストはいないよ。
ダイレイテッド・ピープルズのラッカは奴のデビュー前から一緒に曲をやろうって話がやっと実現した。前に録音した曲もあって、ようやく陽の目を見れたものもある。モス・デフや気心の知れた面々とは、ビートのやりとりだけじゃなく、ビジネス面でもいろんな工程を踏んで作っていった。そういったやりとりで刺激をもらうことも多い。まあ、みんな俺のスタジオに来てくれるからな
hondaさんのアルバムにはドラマチックな曲が必要不可欠と感じているのですが、 そのへんは意識しているのでしょうか。
ドラマチックかどうかはわからないけど、スクラッチと一緒で起承転結を考えてる。
アルバムが頭からケツで1つ、というのと一緒で、それは一曲に対しても同じことが言えるからな。イントロも大事でブレイクも大事。コードが変わっていなくとも、音数で雰囲気もガラッと変わるわけだから
にしても、今作の冒頭を飾る“Let It Out”は分数が短くないですか……?
ああ、単純に曲を飛ばされたくないんだよ(笑)。とりあえず、全部聴いてほしいんだ。ケツにいいのがあっても、飛ばされたら意味がないというかさ、冒頭の曲がよければ、きっとケツまで聴きたくなるだろうし。
それと、"Let It Out"も他全曲、ロング・バージョンもあるからさ(笑)


また、今作にはリンプ・ビズキットのフレッドをフィーチャーした"The Incredible"のようなロッキッシュな楽曲もありますよね。
いつもの延長線上にある作品だけど、ロックの要素は強いね。楽器もすべて弾いてる
延長線上、と話されたように、「h」シリーズには一本の太い芯がずっと変わらずありますよね。
基本アンダーグラウンドだし、解ってくれる人たちに届けばそれでいい、という気持ちがある。一般的に消費されていくものとは対極に位置しているけど、俺がやり続けていることにもきちんとした意味はある。
新作が完成するまでに8年の時間を要しましたが、それにも根気は必要になってくるわけで、 過去にhondaさんは「継続していくためにはバランスと気合い」と話していました。いまなおそれも継続中ですか?
まあ、いろんなバランスがあるけど、今もそうしてるつもりだよ。機会があれば新たなビジネスにも取りかかろうと思っている。 そうすれば色んなジャンルの仕事もこなせるだろうし、自分でやることは自分でやりつつ、いろんなエリア、分野と仕事をしていきたいと思ってる。気合い入れるにも気分転換は必要だしな
では、最後に今後の予定を。
『h V』50%出来上がってる。来年のリリースを予定……次回のリリースまではそんなに時間をかけないつもりだよ(笑)。 それと今作のリミックス盤や長尺盤のリリースも考えているよ
であれば、もうしばらく日本に滞在するとかはどうですか……?(笑)
俺が1年日本に滞在することになったら……事件が起きるな(笑)


[September 2009 / interview & Text : 佐藤公郎 / Co-operation : dj honda RECORDINGS]

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